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回想の花(1)

「ユリオプス・デージー」 白い産毛に覆われて 造りものよりぎこちない 銀緑の肌 堪らないぜ。 空中への謙虚な欲望 見逃すまいよ。 もはやソラリスすら似合う 余所よそしさは 構ってほしいって 勘違いさせやがる。 水が欲しいのかい? 黄色い目と 私の黒い目合うと 小躍りしたくなります。 (2005年02月作) 「続・タマガー」 お金の魅力にタブラかされてデレデレしていたら、 弁天様に蹴られて、調布から田園調布まで流されてしまい、 もう少しで羽田まで行って、 ワケの分からない所まで飛ばされてしまいそうになる、 という夢を見たので、勤め明け、東横線で多摩川まで行って、 そこから、川の流れに逆らって、テクテク歩いた。 オレの4度目位の青春の夏を過した二子玉や狛江を岡目にして、 次第に寄り目がちになりながら、気分は伝説の「風の行者」だった。 途中、体格のいいヤクザ風の男三人と タトゥーを入れた河童風の美青年一人が、昼間から酒盛りしてて、 そのシチュエーションは、いろいろ想像力を掻き立てたが、 ユリオプステージーに水をやらなきゃいけないから、先を急いだ。 とても暑かった。薄くなった頭にダイレクトな太陽の恵みはきつい。 甲羅(DanaDesign製)のおかげで背中もムレムレだ。 なんだって河童なんかになっちまったのかって? 誰も好きでやってるわけじゃないんだ。 今日日、わざわざ流行らない役を引き受けているのも カルマ調整委員会に頼まれて渋々なのさ。 都の人より情けはあると思うのに、 人間扱いされなくて、時々辞めたくなるよ。 でも、今さら戻れるんだろうか? 三十路も近いので色々と考えさせられます。 よいお祭りのときにでも、試しに甲羅を外してみようかな。 重力はオレを抱擁し続けることはできず、 豁然頓悟の蛙の頭上を遥かに越えて、大空に羽ばたくだろう。 飛ぶ鳥は食わない、プチベジタリアンだから、 天空の鳥たちは、Welcome Brotherと言って共に舞うのだ。 オレは河童差別をした奴の家まで飛んで行き、 干してある洗濯物に糞を落としてやるゼ。 (2005年06月作) 「クワズイモ」 最近、みんなソッポを向いていたユリオプステージーの花の中で、 唯一輪だけが見事に咲き誇っていた。 そこだけスポットライトを当てると、とても美しいんだけど、 鉢全体を眺めると、ちょっと悲しくもある。 そ...